072802 ランダム
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ぽち拾遺物語

ぽち拾遺物語

犬に名を付くる事

びくびく仔犬が家族になった。
あまりにビクビクしているので、撫でたり、抱き上げたりすることもためらわれるほどだった。初日、私はあまりに仔犬がおびえていたので、物陰からそっと見ることしかできなかった(ーー;)
家族になった以上は、名前を決めなければ。でも、抱き上げることさえできない子犬、雌雄の別もわからにゃい。

私「~丸っていうのがいい。蘭丸とか。シシマルは不可。ちくわたべそうだし」
弟「メスだったらどうするよ。蘭子?」
私「…オスでもメスでもいい名前にする?」

それって、生まれる前に名前決める場合じゃないのか?5キロもある仔犬を前に繰り広げられるとぼけた会話。

父「ぽんた。ポン吉。ぽんすけ、とかどうよ。」
私「腹鼓うちそう。」
父「ぽ、が付く名前がいいんだよ」
私「じゃぁ、ポクテ」
弟「はやく名前きまるといいな、ぽち」
私「ちょっと!勝手に何ぽちとかって呼んでんのよ!もっと凝った名前付けるのよ!」
弟「おれ、犬は何でもぽちだから。ネコはタマ」
私「せめて ぽち(仮) って呼んで。」
父「ぽちかぁ。それでもいいなぁ…」
私「ぽち(仮)だって!」

ところが、翌日、ビクビク仔犬がいなくなった!わずかな隙のことらしい。
ウチの両親、仔犬と我が家の縁を取り持ってくれた近所の人とその愛犬の必死の捜索にかかわらず、仔犬は見つからなかった。我が家は暗雲に包まれ、一夜が明けた。
しかし、翌朝、ひょっこり子犬が見つかった。戸袋の下にうずくまっていたのである。

「おかえり、ちびちゃん」
「ぽち(仮)みつかってよかった~」
「よ、犬!」
「ポン吉!」
…早く名前を決めなければ。みんな好きなように呼んでいる。

でも、それ以前に何とかしなければいけない問題があった。無事保護された子犬は、どうも具合が悪いようなのだ。熱っぽい。元気がない。ウ○チをしてるところをみてない。
そこで、医者に連れていくことになった。
病院の受付で、私の名前や住所を聞かれ、犬の名前も聞かれた。

…名前!医者にかかるのに名前、ほしいんだ…まだ名前決めてないのに病気にさせるなんてかわいそうなことをするひどい飼い主だと思われる!!

冷静に考えればそんなことはないはず。昨日まで野犬だったのだし、名前考えてるとこなのでっていえば済む話。
しかし、私は、完全にパニクっていた。

「名前?あ、えーと、ぽちです!ひらがなで、ぽち!」
(仮)がとれてしまった。
こうして、ビクビク仔犬はぽちと名づけられることとなったのである。


おすまし


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